続きです。
鎌倉時代の文化②
彫刻
東大寺再建に伴い、名前に「慶」のつく仏師(ぶっし:仏像専門の彫刻家)、「慶派(けいは)」が活躍。
東大寺僧形八幡神像
「快慶(かいけい)」による「東大寺僧形八幡神像(とうだいじそうぎょうはちまんしんぞう)」。
東大寺南大門金剛力士像
「運慶(うんけい)」「快慶(かいけい)」「定覚(じょうかく)」「湛慶(たんけい)」らによる「東大寺南大門金剛力士像(とうだいじなんだいもんこんごうりきしぞう)」。
「寄木造(よせぎづくり)」でパーツは約3000、高さは8.4m。
口を開けているのが「阿形(あぎょう)」像。
阿(a)は最初の音。
口を閉じているのが「吽形(うんぎょう)」像。
吽(hum)は終わりの音。
東大寺重源上人像
東大寺復興を果たした重源の肖像彫刻「重源上人(ちょうげんしょうにん)」像。
興福寺金剛力士像
興福寺も南都焼討で燃えた為、再興されました。
おそらく定慶による「興福寺金剛力士像(こうふくじこんごうりきしぞう)」。
興福寺無著像・世親像
法相(大乗仏教唯識派)教学を確立した兄の「無著(むちゃく)」像。運慶指導のもと作られたそう。
弟の「世親(せしん)」像。
興福寺天灯鬼像・竜灯鬼像
左肩に乗せた灯籠を左手で支える赤鬼「天灯鬼(てんとうき)」像。康弁作。
頭上に灯籠を乗せた「竜灯鬼(りゅうとうき)」像。
上半身に巻きついているのは、竜。
明月院上杉重房像
「明月院上杉重房(めいげついんうえすぎしげふさ)」像
六波羅蜜寺空也上人像
市聖(いちのひじり)と称された平安時代の僧「空也(くうや)」。
唱えた念仏が「南・無・阿・弥・陀・仏」と6体の阿弥陀仏になったという伝説を彫刻化した「六波羅蜜寺空也上人像(ろくはらみつじくうやしょうにんぞう)」。康勝作。
高徳院阿弥陀如来坐像
「高徳院阿弥陀如来坐像(こうとくいんあみだにょらいざぞう)」、通称「鎌倉大仏」。
絵画
絵巻物
横長の巻物に絵と詞書(ことばがき:絵を説明する文章)が交互に書かれていて、右から左へ鑑賞する「絵巻物(えまきもの)」。
平治物語絵巻
「平治の乱」を描いた「平治物語絵巻(へいじものがたりえまき)」。合戦物。
蒙古襲来絵巻
御家人の「竹崎季長(たけさきすえなが)」が、元寇における自身の活躍を描かせた「蒙古襲来絵巻(もうこしゅうらいえまき)」。合戦物。
後三年合戦絵巻
「後三年の役」を描いた「後三年合戦絵巻(ごさんねんかっせんえまき)」。合戦物。
北野天神縁起絵巻
大宰府に左遷された菅原道真の生涯と、怨霊となった道真を祀るため造営された北野天満宮の由来などを描いた「北野天神縁起絵巻(きたのてんじんえんぎえまき)」。縁起物。
春日権現験記
藤原氏の氏神「春日神(かすがのかみ)」(春日権現)と春日大社の由来を描いた「春日権現験記(かすがごんげんげんき)」。縁起物。
粉河寺縁起絵巻
粉河寺の本尊千手観音像にまつわる奇跡や霊験譚(れいげんたん)を描いた「粉河寺縁起絵巻(こかわでらえんぎえまき)」。縁起物。
石山寺縁起絵巻
石山寺の創建と霊験譚などを描いた「石山寺縁起絵巻(いしやまでらえんぎえまき)」。縁起物。
一遍上人絵伝
時宗の開祖「一遍(いっぺん)」の布教の様子を描いた「一遍上人絵伝(いっぺんしょうにんえでん)」。伝記物。
法然上人絵伝
浄土宗開祖「法然(ほうねん)」を描いた「法然上人絵伝(ほうねんしょうにんえでん)」。伝記物。
西行物語絵巻
武家に生まれ、後に出家した歌人「西行(さいぎょう)」の生涯を描いた「西行物語絵巻(さいぎょうものがたりえまき)」。伝記物。
鑑真和上東征絵伝
鑑真を描いた「鑑真和上東征絵伝(がんじんわじょうとうせいえでん)」。伝記物。
男衾三郎絵巻
武蔵国で暮らす武家兄弟の生活を描いた「男衾三郎絵巻(おぶすまさぶろうえまき)」。
六道絵
地獄を描いた「六道絵(ろくどうえ)」。
似絵
大和絵に属する肖像画「似絵(にせえ)」。平安時代の大和絵より写実的で、個人の特徴が表現されている。
伝源頼朝像
伝平重盛像
後鳥羽上皇像
頂相
禅僧の肖像画「頂相(ちんぞう)」。
蘭渓道隆像
明恵上人樹上坐禅像
書道
宋と元の書風が伝えられます。
伏見天皇の第6皇子「尊円法親王(そうえんほうしんのう)」が「青蓮院流(しょうれんいんりゅう)」を創始。
工芸
刀剣
短刀作りの名手、京都の「粟田口吉光(あわたぐちよしみつ)」。
鎌倉の刀工「岡崎正宗(おかざきまさむね)」。
備前国の刀工「長船長光(おさふねながみつ)」。
甲冑
甲冑では「光明白にして玉のごとく類まれなる珍器なり」と近衛天皇に称賛され「明珍」の姓を賜ったとされる「明珍派(みょうちんは)」が有名。
陶器
道元と南宋に渡った「加藤景正(かとうかげまさ)」が帰国後、「瀬戸焼(せとやき)」を創ったと言われています。
鎌倉時代は以上です。
ありがとうございました。
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